ご挨拶
発刊にあたって
 この度、「上高野の自然と文化を学ぶ同史会」から会誌の創刊号を発行することになりましたことは、会員の一人と致しまして誠に欣快にたえません。
 この一年余間、皆様方から弊会に寄せられましたご支援とご協力に対しまして、心から厚く御礼申し上げる次第です。
 お陰様で平成12年度に企画致しました講演会、写真展、史跡探訪の3行事も成功裡に終わり、各行事ともそれなりの成果があったことを会員一同喜んでいる次第です。
 さて、どんな時代でも人間が恙なく生きていくためには、まづ以ってその人の周囲の自然環境が最も重要な要素であることは論を待ちません。
 人間が生活していくに適した自然があってこそ、はじめてそこに歴史が息づき、文化が育まれていくのだと思います。
 『その掛け替いのない貴重な自然を、私どもはどの様にして守つていけばよいのか。!』
 顧みるにこの20世紀、人類は「自分たちが自然を征服する」という思い上がった思想を持ち一部心ある人が自然環境の破壊を警告してきたものの、科学技術の進歩が優先されグローバルな取り組みに成長しなかったことは人類として大きな損失でありました。
 近年、その反省に立って国際的な地球環境問題の解決機関が設立され、漸くその実効的活動が注目される様になったことは、喜ばしいことであります。
 さて、私たちが身近な自然環境問題に触れるとき、私どもは我々の父祖が自分達の生活のなかに、自然やそこに生きづく生き物たちとの深い絆があった姿を多くの事例から学び採ることが出来ます。
 自然環境の維持と保全が危険度を増していくとき、現今に生きる私どもは、そこに生きる生き物との新たなる共存を目指して努力していかなければなりせん。
 そうすることによって、これからも歴史が語り継がれ、文化が創造されていくのではないかと思います。
 今年1月に策定された左京区基本計画の重点施策の目指すところもそこにあります。
 私どもの会の活動もその視点の上に立っており、今日まで父祖たちの残してくれた心象や形象を我々がどの様にして守り、後代の人びとに語り継いでいけばよいのか、課せられた使命は甚だ大きいものであると言わざるを得ません。
 そのための取り組みは、一人や二人での活動だけでは輪が十分広がりません。
 また継続していくことも容易ではありません。
 私どもの集まりが、この問題の取り組みに些かでも役に立っことができれば幸いであると思います。
 これからも会の趣旨を誠実に守りつつ、切磋琢磨しながら次代を担う子供たちの心に残る活動ができればと思っております。
 そして地域社会に根差した愛される会として成長していくことを念じております。
 弊会の趣旨をご理解頂き、今後とも皆様方のご指導ご鞭撻と併せてご協力賜ります様、よろしくお願い申し上げる次第です。                                      
平成13年3月吉日
                   
                      会長 福 本 萬 生